自律神経失調症
自律神経とは?
自律神経とは、内臓機能など自分の意志ではコントロールできない身体の機能を調節する役割を持った末梢神経であり、自律神経系とも呼ばれます。自律神経系は交感神経と副交感神経という二つの神経系で構成され、交感神経は主に身体活動的な状況や、痛みや恐怖心などのストレスにさらされた際に優位に活動する神経系です。対する副交感神経は主に休息時や睡眠時など、心身ともに活動的でない状況の際に優位になる神経系です。
交感神経と副交感神経は相反支配と呼ばれ、互いに拮抗し、相対的に作用しています。つまり、交感神経が優位な時は副交感神経は作用が弱まり、逆もまた然りです。
自律神経失調症とは?
自律神経系を構成する、交感神経と副交感神経のバランスが崩れた際に起こる、身体の症状の総称です。
原因としては
過労や過度のストレスにより脳の休息が十分に取れず、交感神経と副交感神経の入れ替わりがスムーズにいかないことによるものと考えられています。
症状としては
めまい、過呼吸、頻脈、胃腸障害、耳鳴り、吐き気、頭痛、生理不順など、多岐にわたります。自律神経の支配している機能自体が幅広いため、実に広い範囲の不定愁訴が自律神経失調症と診断されています。うつ病やパニック障害なども自律神経失調症として捉えられています。
自律神経失調症に対する当院での施術
自律神経失調症に対しての当院での施術は、主に呼吸の調律によって行います。自律神経の支配下における機能の中で、唯一自分の意思でコントロールできる機能が呼吸です。自律神経系に何らかの支障をきたしている方の呼吸は、一様にうまくできていません。具体的には、呼吸が浅い、息が吐き切れていない、肺に息が入っていないなど様々です。
これら呼吸の不具合には構造的な姿勢の問題も大きく関わっています。背中が丸くなっていたり、肩が挙がる、肩が前に出る、顎が上がる等の姿勢の崩れにより、胸郭はつぶれ、お腹をはじめ、肩や首、腰などの筋肉が過緊張し、物理的に呼吸動作がしづらくなるのです。
また、呼吸には肉体的な問題だけでなく、精神的、心理的、感情的な内面の問題も表れているケースが多く、自律神経の乱れもまた、内面的な問題が絡んでいることがほとんどの為、呼吸の調律は特に本症状には有効と捉えています。