呼吸と左右差

左右非対称性

人間の身体は左右対称ではありません。内臓でいうと右に肝臓があり左に心臓や胃があります。脳の機能も左右で優位性が変わります。

身体は捻じれている

胎生5週目くらいまでは肝臓も胃も正中線上に位置していますが、徐々に時計回りに動き左右非対称性が生じていくそうです。なぜ時計回りなのかはわかりませんが、反時計回りである地球の自転に適応させているのかな?と考えています。その影響で生まれつき人間の骨盤は右回旋しています。それに対して相対的に胸郭と頭部は左回旋して目線を正面に向けようとしています。

右利きが多いわけ

利き手が右という人が多いのもこの左右非対称性の影響です。ごくまれにいる内臓逆位(回旋も逆)の人などを除けば左が利き手という人もほとんどが後天的な学習によるものです。胎児のおしゃぶりもほとんどが右手の指をくわえているそうです。

左右差をリスペクト

長々と何が言いたいのかというと、人間は生まれつき左右の歪みを持っていて、それは進化の過程で手にしたリスペクトすべき構造であるということです。整体の仕事をしているとつい左右差を厳しくジャッジしてしまいます。だけどその人に何の不具合も出ていなければたとえ左右差があったとしても当然修正する必要はないのです。

左右差より気にすべきこと

仮に不具合があったとして、身体の左右差以前にチェックしなければならないのは呼吸です。呼吸による横隔膜や体幹の使い方により肋骨や骨盤の回旋を助長したり逆回旋させたりした結果、不適切な左右差を生むことがあるのです。呼気と吸気で体幹に適切な圧がかかれば人間本来の左右差が保たれます。皆さんも左右差は気になるところかと思いますが、まずは呼吸を意識してみましょう。細かく左右差を追っていくよりも根本的な解決策になるはずです。