肘関節痛
肘関節痛はなぜ起こるのか?
肘関節に痛みが起こるのは、何らかの原因により関節内や関節周囲の組織に炎症が起こるためです。炎症が起こる原因には、外傷や怪我など原因がはっきりしている突発性のものと、時間をかけて徐々に進行していくものとがあります。
このうち、外傷や怪我による肘関節の痛みは、骨や関節、靭帯などに問題がなければ、負荷をかけない限り時間の経過とともに回復していきます。
問題は時間をかけて進行していく痛みであり、これには、上腕骨外側上顆炎(テニス肘※バックハンド型)、上腕骨内側上顆炎(テニス肘※フォアハンド型・ゴルフ肘)、肘部管症候群、変形性肘関節症、関節リウマチなどがあります。このうち関節リウマチについては免疫異常によるものですが、他の症状についてはほとんどがスポーツや日常動作での使い過ぎが原因になっています。
肘関節の使い過ぎによる症状も、症状が出ているのは肘関節ですが、原因も肘関節にあるわけではありません。肩関節や手首の関節の動きに問題があったり、更に言うと身体全体の使い方に根本的な問題があることがほとんどです。
肘関節痛に対する当院の施術
はじめに、痛みや炎症などの症状が強い場合や関節の変形が顕著な場合、長い期間それらの症状を抱えている場合などは、まず専門医への受診をおすすめします。その上でなかなか変化が出ない場合や、手術を勧められたが受けたくない場合などはご相談ください。
当院では肘関節痛の原因は基本的に身体の使い方によるものと捉えています。姿勢の崩れや呼吸の浅さが原因で重心位置がずれ、身体が正しいポジションで使えないことが身体のどこかに動きの滞りを生み、不具合を呼んでいる。その滞りや不具合が、たまたま肘関節に出たものが肘関節痛なのです。
また、テニスやゴルフのやり過ぎなどで起こったテニス肘やゴルフ肘。一般的にはこれらの原因はテニスやゴルフなどのスポーツにあり、それらのスポーツを止めない限り症状は改善しないと考えられています。ですが、そもそもの原因はそれらのスポーツや動作にあるわけではなく、その人の身体の使い方に問題があるのです。だから同じスポーツを同じ頻度で行っていても、症状の出る人と出ない人の差が出てくるのです。スポーツ自体に原因があるのだとしたら、テニスをやる人は全員テニス肘になり、ゴルフをやる人は全員ゴルフ肘になるはずです。実際は違いますよね。
したがってアプローチするべきは姿勢の崩れや呼吸の浅さになります。実は姿勢や崩れること、呼吸が浅くなることにも原因があります。それは不安感や恐怖心などの心理状態です。何かに対して不安や恐れがあるとき、人間は身を屈め、息を浅くひそめ、歯を食いしばり、余計な力を入れて踏ん張ります。これが姿勢の崩れと呼吸の浅さの正体であり、肘関節に不具合を生む根本原因です。
不安感や恐怖心は自分でも気づいていないことが多いものです。これらは人によって本当に様々で、痛みに対して恐怖を抱いている場合や、単純に悩みがある場合、将来に不安がある場合、人間関係がうまくいっていない場合などです。必ずこれらは呼吸に表れます。当院では吐き出し切れていない息とともに、これらの感情を吐き出してもらうことで、屈んだ姿勢を伸ばしていきます。その結果、適切な重心線上での運動が可能になり、身体の使い方も改善します。
その上で必要に応じ、筋肉の緊張緩和や骨格の調整を行います。