足の指の感覚
足の指と姿勢
前回正しい姿勢とは身体に負担が少なく脱力できた姿勢というお話を書きました。その中のひとつに足裏の感覚が大事とあったと思います。今回は特にその中でも足の指が大事というお話になります。
大事なのは指の感覚
左右で10本からなる足の指、おそらくほとんどの方が一本一本の感覚を意識できていないと思います。脳から最も遠く身体の末端にある足の指。ただでさえ意識が及びにくい。それに加えて屋外では当然靴を履きますし、室内でも靴下やスリッパを履いての生活が多いとなれば足指の感覚は鈍くなって当然といえば当然です。だけど考えてみてください。足は地面と接触する大事な感覚器です。足の指数本とはいえ意識が及ばない部位があれば何か問題がありそうな気がしませんか?
特に小指や薬指
実は脳にとって意識が及んでいない部位は存在していないのと同じなんです。意識されない部位があると脳は無意識に不安を感じ、余計な緊張をつくります。たとえば足の薬指と小指は特に意識がしにくい部位なのですが、歩行でいうと軸脚として前進するときに足の外側である小指と薬指の意識がないと身体は支えられず外側に崩れます。外側に崩れると次に前に出す脚もクロスしての接地になり、連動も一度そこで途切れるので結果として膝や股関節、腰などが緊張し痛める原因になることがものすごく多いのです。
まず知覚する
大事なのはまず足の全部の指を知覚すること。写真のように足の指でグーを握るようにして指の先端を地面に押し当ててみてください。きっと外側など意識が鈍い指は曲がりにくいはず。その場合は手で折り曲げて指先が地面に当たるようにしてあげてください。指の先端が感知できるようになるだけで歩きは安定します。軸が安定すると余計な緊張が抜け、負担の少ない正しい姿勢で歩けるようになります。