お腹を押す

当院の施術はお腹を押します

これは詰まった息を吹き返すためです。つまり浅くなっている呼吸を深い呼吸に変えるため。ではなぜ呼吸が浅くなり、お腹が硬くなるのか?

人間の身体には大きく分けて二種類の筋肉があります

ひとつは身体を屈める筋肉。そしてもう一つは身体を伸ばす筋肉。発生学的には身体を屈める筋肉の方が古く、優位になりやすいものです。赤ちゃんは身体を屈めて生まれてきます。発育していく過程で徐々に身体を伸ばすことを学習し、寝返りが打てるようになり、ハイハイができるようになり、二足歩行ができるようになります。

つまり二足歩行は身体を伸ばす筋肉の完全なる発達により完成するのです。

問題はこの身体を屈める筋肉の方が本能に直結していて、優位になりやすいということ。人間は自分でも自覚のないまま無意識のうちに身体を屈める姿勢に陥りやすいのです。

身を屈める姿勢

身を屈める姿勢というのは動物にとっては防御姿勢。不安や恐怖などの感情があるとき、私たちは身を屈めて守ろうとします。感情は本能ですから。この時一番守ろうとしているのがお腹。お腹には構造的には内臓もありますし、何より人間は自分の肚(本音)を探り当てられることが不安なのです。

そこでお腹の筋肉を硬くし、息を詰め、歯を食いしばる。これが姿勢の崩れの正体です。本音と建前のある日本人は特に姿勢が悪いとも言われています。

お腹を押すことで、目に見えていない(下手すると本人も気づいていない)不安や恐怖を、詰まった息とともに吐き出してもらう。これが当院の施術でお腹を押す理由です。

気が病むと書いて病気。我を怪しむと書いて怪我。根本にあるのは不安や恐怖であることが多いものです。