ローカル筋とグローバル筋

筋肉の分類

筋肉にはいろいろな分類がありますが、今回はローカル筋とグローバル筋という分け方を紹介します。ローカル筋とは脊柱に付着する筋肉のことで、いわゆるインナーマッスルとほとんど同義です。それに対してグローバル筋は脊柱に付着していない筋肉を指し、いわゆるアウターマッスルがこれにあたります。

収縮順序

我々が動作を行うとき、まず脊柱に付着するローカル筋が満遍なく働き背骨を安定させます。次に外側のグローバル筋がバランスよく働くことで最小限の負担で大きな力が発揮できるようになっています。肩こりや腰痛を含め筋肉に不具合が起こるとき、実はこの筋肉の収縮順序に問題があることがほとんどです。まず腹部周囲のローカル筋の働きが悪くなり、結果として頸肩部や背部表面のグローバル筋が働きすぎて過緊張を起こしてしまう。

対処方法

この場合大事なのはまず過緊張したグローバル筋をほぐすこと。これによりグローバル筋の過活動は抑制されローカル筋が働きやすい環境がつくられます。ただこのまま何もせずに放っておくとすぐにまた元の状態に戻ってしまいます。なぜならグローバル筋をほぐしただけでは収縮順序が改善されるわけではないから。重要なのはローカル筋が動作に先立ち先行収縮するよう正しい収縮順序を学習させることなのです。

呼吸の登場

ここで登場するのが呼吸になります。実は適切に息を吐けたときに使われる筋肉がローカル筋なのです。身体の不具合の多くは呼吸が原因といわれる理由のひとつがこれです。きちんとお腹の奥を使って息を吐き出す練習をしましょう。定着まで時間はかかりますが、これが学習できることが最も根本的な肩こり腰痛の改善策になります。