モビリティファースト

可動性と安定性

動作にはモビリティ(可動性)とスタビリティ(安定性)があります。これは各関節によりその割合が変わります。たとえば身体全体を安定させたい腹部や骨盤回りなどのいわゆる体幹部はスタビリティとしての役割が多くなります。逆に股関節や肋骨、肩関節などは十分な可動性が求められるためモビリティの要素が多くなります。

まず可動性の確保

モビリティとスタビリティどちらも重要なのですが動作においてはモビリティファーストといわれ、動くためにはまず可動性の確保が重要になります。なぜかというと関節や筋肉には固有受容器と呼ばれるセンサーが多く存在し、十分な可動域がないと運動刺激としての入力が起こらないため。つまりモビリティが不十分だと十分な知覚がなされず、結果運動としての適切な出力も起こらないのです。

獲得した可動性を生かす

よし!モビリティが大事なんだな。じゃあガンガンストレッチして可動域を広げよう!と考えるのはまた早計。もちろん可動域が広いことは大事なのですが、たとえば生まれたての赤ちゃんは究極の可動性を持ちますが歩くことはまだできませんよね。それはそのモビリティに対するスタビリティが伴っていないから。つまり動きを獲得するには広い可動域だけでなく、どの可動域においても力が発揮できるような出力の学習が必要ということです。

動いて知覚し、知覚して動く

「動くためには知覚しなければならないが、知覚するためにも動かなければならない(Gibson)」まさにこれ。我々施術者にできることは痛みやモビリティを改善し、適切な入力ができる状態に持っていく手助けまで。そこから実際に自分で動かなければインプットが起こらず運動学習が進まないのです。つまり可動域広げてインプット↑⇒動いてアウトプット↑⇒更にインプット↑⇒動作が良くなるということ。