緊張緩和と呼吸

トレーニング界でも注目される呼吸

最近はトレーニングの世界でも呼吸の重要性が再認識されています。ストレス社会では自律神経系は交感神経優位になり、筋肉も緊張しやすくなります。過度な緊張は動くために必要な正常な入力や出力を阻害します。そんな全身の筋緊張を緩める手段としてトレーニングに入る前に呼吸(特に息を吐くこと)が用いられています。

横隔膜の形状と働き

呼吸主働筋である横隔膜は平常時呼吸の70~80%の仕事量を担うとされています。横隔膜が正常に働くためにはドーム状の形状が保たれる必要があります。呼吸の動きでいうと横隔膜は吸気時に緊張して平らになり、呼気時に弛緩しドーム状になります。つまりストレスによる吸気優位は横隔膜の働きを低下させ、首や背中にある呼吸補助筋が過活動となり全身の緊張につながるということです。息を吐くことで横隔膜の形状と機能を正常化することができるのです。

エアフローという考え方

もうひとつエアフローといって、水の流れと同じく吸った空気も抵抗が少ないところを通るという考え方があります。たとえば吸気優位の姿勢は腰が反り背中側が緊張します。この場合空気はお腹側に入り背中側はどんどん緊張していきます。背中には後縦郭と呼ばれる交感神経節が密集している部位があり、ここの緊張は交感神経の緊張をさらに強めます。つまり緊張緩和のためには背中の緊張を緩め後縦郭に空気を入れたいのです。

対策は土下座?

まとめると全身の緊張をとるためには息を吐くことと後縦郭に空気を入れることが重要ということです。この二つの条件を満たすのはずばり土下座の姿勢。土下座のまま息を5~8秒吐き3秒止め3秒吸う。これを4呼吸。慣れてきたら吐く秒数と止める秒数を長くしていきます。運動前や寝る前、起床時などにお試しください。