いい呼吸

「しつこい!」と思われてもいいんでもう何回でもいいます。「いい呼吸」ってやっぱり「吐ける呼吸」なんですよ。なぜ吐くことが大事かというと、リラックスできるから。それだけ。リラックスできている身体は正常に働いてくれるので不具合を起こしにくくなります。

あるデータによると現代人の90%は息が十分に吐けていないとか。これは私も以前から感じていました。聞いたことがあるかもしれませんが、吸気では交感神経が優位となり呼気では副交感神経が優位となるといわれています。私たちの身体は交感神経優位であれば活動的になり副交感神経優位であればリラックス状態になります。つまり息が吐けていないということは身体は常に活動状態になっているということ。別に交感神経優位が悪いのではなくて、副交感神経優位に持っていけないことが身体にとっては無理があるということ。

たとえば体内に呼吸の量を表す目盛りが10まであったとして。理想は0になるまで吐いて10まで吸える呼吸。吐けていないということは6か7くらいまで吐いて10まで吸おうとしている状態。しかもそれではリラックスできないので不安が出てきます。次にとる行動は「もっと吸いたい」となり、11とか12まで吸おうとし始めます。でも当然吸えないので「なんか最近息苦しいんだよなあ。」となるわけです。

この場合に必要なのは容量を12まで増やすことではなくて0まで吐いてあげること。足し算ではなくて引き算。文明の進化は多くが足し算でなされてきたけど、現代人に必要な健康法はほとんど引き算。栄養しかり呼吸しかり。

実は人間の身体って息が吐けないとうまくしゃがめないんですが、最近は大人ばかりでなく、しゃがめない子供も増えています。実は呼吸って感染するんです。そんな話を聞いてじゃあいい呼吸をしましょうと、腹式や胸式を含めた○○式とか○○メソッドとか方法論やノウハウに走ってしまうのは要注意。一番やってほしくないのは呼吸を良くしようとして呼吸してしまうこと。わかるかな?禅問答みたいだけど(笑)。

もちろん○○式とか○○メソッドで体調がよくなるならそれはいい呼吸です。ただ頭でいい呼吸をしようと考えるより先に吐きゃいいって話なんです。あとは勝手に吸えます。吸うときの注意はただひとつ。「鼻で」だけ。鼻横隔膜反射といって鼻呼吸は横隔膜を動かします。

無理やり吐けってことではなくて。吐くことを意識するだけでいいんです。実は「息が吐けている」という信号が脳に送られるだけで私たちの心身はリラックスできるようにできています。だからもうね。とにかく吐いてほしい。吐いていることを観察してもらいたい。

もちろん息が十分に吐けなくてもすぐに死ぬわけではありません。だけどその代償に心身に不具合を出して健康を犠牲にしているとしたら、ゆっくり自分を殺しているようなもんですよね。「息」と「生きる」の語源は同じ。息を抜いて現代社会を生き抜きましょう。